狂愛の果て

行き場を失った感情の掃き溜め

妄想ライブレポ~UNISON SQUARE GARDEN-fun time HOLIDAY 8(w/フジファブリック)編~

 ついにこの日が来た。UNISONSQUAREGARDEN主催の自主企画対バンツアー、fun time HOLIDAY 8。8と書いてあることから今回が8回目、つまり過去に7度開催されてきたのだが、毎回対バン相手が素晴らしく豪華なのだ。しかし、今回の相手はいつも以上にすごかった。フレデリックSUPER BEAVERヒトリエなどの人気絶頂のバンドから、キュウソネコカミBIGMAMA等のユニゾンと過去に対バンを行ったバンドまでよりどりみどり。そして、本日行われる北海道公演のゲストは、フジファブリックである。

 

 フジファブリック、私の受験を支えてくれたバンド。高3の冬はフジファブリックばかり聴いていた。しかし、ライブに行ったことはなかった。ハマった時期が時期だったので、そもそもライブに行けなかったのだ。フジファブリックの15周年記念ライブと模試が重なってしまい、会場で狂いながら模試を解いたのは良い思い出。ライブを取るか模試を取るか入金期限ギリギリまで悩んだな(悩むな)。そんな中発表されたfun time HOLIDAY 8。対バン相手にフジファブリックを見つけたとき狂喜乱舞した。開催日には受験も終わっているので、存分に楽しめる。場所が北海道なのがネックだったが、この際場所なんてどこでも良い。ブラジルで開催されてても行くわ。というわけで、速攻でチケットを取ったがしかし、コロナのクソ野郎のせいで延期。一時は開催が危ぶまれたが、全世界の石油王が金の力でコロナウィルスを撲滅したおかげで無事開催されることになった。ありがとう全世界の石油王。金の力で解決できない問題など無かったのだ。どさくさにまぎれて石油王の愛人にもなれたし。724番目だけど。

 

 はやる気持ちを抑えつつ、家から空港まで移動。予約していた飛行機に乗り、新千歳空港に到着。代金はもちろん石油王のブラックカードで支払った。ちなみに石油王はカードを貸してくれただけで、自家用ジェットは貸してくれませんでした。これがヒエラルキーってやつか・・・。ま、カード貸してくれただけありがたいと思おう。

 

 現在時刻11時15分。ライブは18時開場、19時開演なのでまだ6時間ほど時間がある。飛行機内では水しか出てこなかったため、おなかペコペコである。さすが格安旅客機。本当に石油王の愛人なのか?しかし、ここは北海道。海鮮丼、スープカレー、じゃがバター、パフェなどおいしいものの宝庫である。というわけで、手始めに海鮮丼を食べることにした。空港内のお店でサクッと済ませようと思ったのだが、ここでカルチャーショックを受ける。さすが北海道、海鮮を扱っている店が20店舗以上ある。地元の空港には1~2店舗しかなかったぞ。北海道恐るべし。どのお店もとてもおいしそうで選べなかったので、目をつぶって1回転した先にある店にした。どの魚介も新鮮だし、エビがぷりぷりでうまかった。満足。カロリー?石油王の力で0になりますよそんなもん。

 

 とりあえず腹ごしらえをしたが、なんだか甘いものが食べたくなってきたのでパフェを食べに行く。目についたカフェに入り、注文。ミルク感が強くてうまかった。若干の胃もたれを感じ、もう若くないことを悟った。つら。パフェを食べた後は、その辺のお店でお土産を買ったり、おいしそうなじゃがバターが売ってたので買い食いしたり、なんやかんやしているうちに開演1時間前に。空港のロッカーに荷物を押し込み、タクシーでZepp Sapporoまで飛ばした。今のところ食べたいものはほぼ食べれたし満足である。この後ライブもあると思うと、嬉しすぎて成層圏まで飛べる。ちなみにここまでかかったお金は全部石油王のブラックカードで支払った。石油王バンザーイ。

 

 入場待機列に並び呼ばれるのを待つ。ぞろぞろとまるで大名行列のように観客がライブハウスに吸い込まれていく。その流れに乗り、入り口でドリンク代とコインを引き換え中へ。私は帰りの混雑に巻き込まれたくないためドリンクは先に引き換える派であるが、これの難点は位置取り争いに若干出遅れるところ。少しでも遅れを取り戻すために、カウンターにコインを突き出し「水で。」と一言。言い終わらないうちに出された水を受け取り、小走りで客席へ。ZEPPのスタッフさんは絶対特別な訓練受けてるよな。そうじゃないとあんなスピードで水出せないよ。あといつも思うが500円の水って高すぎない?こんな高い水ライブハウスの水か水素水ぐらいしかないぜ。と、脳内でぼやきながら位置取り争いに参加。前方の柵前真ん中あたりという好位置につける。前を狙える良い位置ですねえ。グッドポジションに着いた後は、ライブが始まるのをタダ待つのみ。私はこのライブが始まるまでの空白の時間、毎回緊張してしまう。ただ見に行ってるだけなのになぜ緊張するのか訳が分からない。どう考えても演者の方が緊張するだろ。いやこの2組なら緊張すらしないかも知れないな。

 

 ただ緊張するといっても嫌な緊張ではなくて、腹の底がじんわりと熱くなって動かずには居られなくなってしまうような感じだ。期待と高揚感がない交ぜになって緊張感として現れているようなそんな感覚。これを感じると、ああライブに来たんだなと強く思う。何分かに1回ライブですよ!!!!!!ライブが!!!!!!!!はじ!!!!!!まる!!!!!!ライブ!!!!!!!!!!!と叫びながらライブハウスを駆け回りたくなるのだが、そんなことしたら一生出禁になるのでできません。実際そんな客居たら演者も嫌だわ。

 

 なんとか衝動をなだめていると、突如フロアの照明が暗くなっていきステージ上がライトアップされる。待ちに待った開演だ。歓声と拍手が惜しみなく受けながらステージにフジファブリックのメンバーが入場してくる。本日のサポートドラムは玉田豊夢さん。いきものがかり星野源のアルバムにドラムとして参加している超絶ドラマーである。フジファブリックのサポートドラムも数多くこなしてくれていて、私は実質メンバーだと思っている。メンバーが位置につき、互いの顔を見合わせる。本日の入場SE「Intro」が徐々に小さくなっていき、いよいよライブが始まる!

 

 

 会場の限界まで高まった空気を打ち破るように、ギター、ベース、ドラム、キーボードの音が鳴り響く。全観客の視線がフジファブリックへと集まる。会場の空気感を確かめるようにゆったりと始まり、徐々に勢いを増していく。加速する演奏と比例して観客のボルテージも上がっていく。「Intro」の後にやる曲と言ったらあの曲しかない。STARだ。

 

総「こんばんはぁ!札幌ぉ!」

 

総君ことフジファブリックのボーカルギターの山内総一郎が吠えた。観客のボールテージは開幕数分で最高潮に達し、成層圏まで突き抜けた。終わる頃には宇宙の果てまで行ってしまいそう。すべての照明が白く輝き、フジファブリックを照らす。彼らを星にするかのように。星の光にむかって突き進んでいくようなこの曲は、ライブ1曲目にもってこいである。

 志村さんが亡くなって、フジファブリックは一時活動を休止した。短い休止期間を経て3人体制になったフジファブリックが最初に送り出した曲がSTAR。当時の様々な意見を跳ね飛ばすかのように力強くそして切ない、文字通り星のような曲だ。私はこの曲が大大大好きなので興奮した。STAR始まりのライブとか最高すぎんか?

 

「こんなに近いのに 遠くもあるのだな」

 

もう毎回ここで泣いてしまう。ここだよ、STARを特別な曲たらしめているのはここなんだよ。ここからラスサビまでの歌詞が良すぎる。新体制としての勢いを表すだけじゃなくて、志村さんへの想いも込めている。ここなんだよ!!!!この詩を総君と加藤さんが書いたって事実だけで泣ける。無理。それが生で聴けるなんて余計に無理。泣いた。1曲目からタオルびちゃびちゃ。

 

 

 アウトロを余韻たっぷりに伸ばし、星が輝きをなくすように音が止まる。湧き上がる歓声と拍手。興奮も覚めやらぬままに、浮遊感のあるキーボードが滑り込んでくる。このイントロを聴くと腹の底からわくわくが溢れてきて止まらない。キーボードが掻き立てる浮遊感とは裏腹にややけだるげに歌い出す1曲、Sugar!!だ。フジファブリック最大の応援歌と言っても過言ではない1曲がここできた。強い。このライブ、間違いなく強い。気を抜くとユニゾンまで体力が持たないことを確信した。

 

 イントロから徐々に加速力を上げていき、サビで底抜けに明るくなる。「全力で走れ 全力で走れ 36度5分の体温」というサビのフレーズに合わせて、総君の歌声が闇をはらうように伸びやかに広がっていく。この曲はフジファブリックの中でも数少ない応援ソングなのだが、他人へエールをおくっているわけではなく自分自身への言い聞かせに過ぎないのがフジファブリックらしい。こうなんか少しひねくれているというか、若干ずれているところがユニゾンフジファブリックの共通点のように感じる。36度5分という至って平熱、上がりきっていない体温もこの曲のちょうど良い温度感を表していて好きだ。だが、ライブとなったら話は別である。36度5分の体温とか言ってらんねえよ。興奮して36度5分とか余裕で超えてるわ。ちょっと前までだと36度5分の体温でもギリギリのラインだよね。

 

 

 滑走路を走り抜けて大空へと飛び立っていくようなアウトロが終わり、息つく間もなく奏でられる軽快なピアノの音。それに重ねるようにダンサブルなドラムが入ってくる。

「1,2,1,2,3!」というかけ声とともに始まった1曲、LIFE。STAR、Sugar!!ときてLIFEを持ってくるとは。フジファブリック、完全に観客を自分たちのものにしようとしているとしか思えない。序盤から曲が強すぎる。もうライブ終わるの?ってぐらいの火力である。この曲はアニメ『銀の匙 Sliver Spoon』のOPだったそうなので、知名度が意外と高いのか、3曲目とは思えないほど観客は完全にできあがっている。

 

「見慣れていた 景色さえも 輝いてた」

 

この歌詞がここまで刺さる日が今日以外にあるのだろうか。一度は完全に失われかけたこの景色。ライブの開催を待ち望んでいた我々観客はもちろん、演者にとっても待ち焦がれていたかけがえのない輝かしい景色になっているのだろうか。その想いを込めてのこの選曲だったとしたら泣いちゃう。フジファブリック優しすぎて泣いちゃう。まあ1曲目から涙でタオルびちゃびちゃですけど。

 

 流れるように1番が終わりこの曲最大の見せ場がやってきた。総君の圧倒的ギターソロである。さすがは元ギター担当、レベルがハンパじゃない。志村さんが認めただけのことはある(何目線?)。もうとにかくうまい。必死に目をこらしたが何しているのか全く分からない。指が速すぎてもはや弾いてないんじゃないかと思い始めた。これ、バンドマンに憧れてとりあえずギター初めて見たけど全然思い通りに弾けない人あるあるだと思います。

 跳ねるようなリズムに合わせて手を左右に揺らす。ユニゾンでは絶対に起こりえない一体感が生まれるのがまた良い。そんな一体感をなくすのが惜しいようにアウトロが最大限延ばされ、ためにためて楽器が打ち鳴らされる。総君がありがとうと一言言い放った後に暗転。観客席から割れんばかりの拍手が起こった。

 

 

総「どうもこ改めましてこんばんは~!フジファブリックです!!」

総君の挨拶とともに柔らかい光がステージを照らす。彼らを迎え入れるように観客席から暖かな拍手が送られた。ユニゾンへのお礼の言葉から始まり、ユニゾンとは同じ事務所で以前「SMAおなじむ」で斎藤さんと共演したことが語られた。総君のMCにしてはありえないぐらいまともで分かりやすいじゃないかと感動していた。その時だった。

 

総「えーユニゾンがね呼んでくれたこのライブですけど、ここ札幌じゃないですか!ダイちゃん!」

ダ「そうですねどうしたんですか急に」

唐突に総君がキーボードのダイちゃんこと金澤ダイスケに語り始めた。まずい予感がする。

総「札幌と言ったら、サッポロ生ビールやん?あれのロゴってさ、星マークやん?」

この前フジファブリックプレミアムモルツ提供でライブしていたような気がするのだがその辺いろいろと大丈夫なのだろうか。

総「あれって何でか知ってる?」

ダ「えっ?」

 

・・・私は今何の話を聞かされてるんだ?これってユニゾンフジファブリックの対バンだよな?ワンマンじゃないよな?観客席も突然すぎる会話に静まりかえっている。なんだこのゆるっゆるすぎる空気感は。これが噂の山内総一郎MCなのか?さすがのダイちゃんも困惑しきっている。加藤さんは微笑みながら状況を静観している!

 

総「あっそういえばね、僕たちこの前新しいアルバム出したんですよ。『I LOVE YOU』ってやつなんですけど。その中から新曲を演奏したいと思います!」

 

 

 その言葉を合図に照明がすーっと明るさを落としていき、非常にダウナーでつかみ所の無いギターリフが始まる。印象的な1曲、楽園。アルバムツアー以外で聴けるとは思ってなかったのでもうめちゃくちゃ嬉しいのだが、ちょっと待て。サッポロ生ビールの話は?????そう、これがフジファブリックのライブ迷物、回収されないMC。噂には聞いていたがここまでとは・・・。サッポロ生ビールの話めちゃくちゃ気になるけど、もう曲始まっちゃったし、ライブの楽園めちゃくちゃかっこいいし、そういえば時計台見に行くの忘れたこと思い出しちゃったし、もうしっちゃかめっちゃかである。緩急で頭おかしくなりそう。全部フジファブリックのせい。

 

 初めて楽園を聴いたときはこれほどフジファブリックらしい新曲があるだろうかと1人興奮した。盛り上がっているのにどこか冷静さを感じるメロディラインは静かに燃え続ける炎を連想させ、フジファブリックのバンドとしての姿勢すらもうかがわせる。サビ終わりの全員で歌うところは迫力が増し、生の良さをありありと感じさせた。恐ろしくライブ化けする1曲、楽園。メジャーデビュー17年目を迎えさらに進化していく彼らの姿がそこにはありありと映し出されていた。あの3人で歌うところフジファブリックフジファブリックを続けてくれて良かったと思わせてくれるから大好きなんだよな・・・。

 

 

 楽園で一気にフジファブリックの世界観に染め上げた後、一呼吸おいてピアノの音が響いてくる。心の内にそのまま染み入ってくるような優しくどこか切ないピアノ。フジファブリックの代表曲、若者のすべてである。ライブのちょうど中盤あたり、身体が疲れてくるタイミングでの若者のすべては心にくる。セットリスト天才すぎないか???エモの塊のようなこの曲のせいで、タオルがびちゃびちゃを超えてぐっしょぐしょになってしまった。絞れるこれ。まずねこの曲を聴いて泣かない人はいないと思うんですよ。これで泣かない人は道徳の授業中に内職してた奴だろ。

 

 この曲は志村さんが作った曲だけど、志村さんが亡くなった後もずっと演奏され続けてきた。Mステもこれで出てたし。だから、総君が歌う若者のすべてがすっかり板についてきた訳だけれども、志村さんが歌う若者のすべてを一度でいいから聴いてみたかったなと思ってしまう。それはこの曲だけに言えることではないけれど。一度でいいから志村さんが真ん中に立って歌っているライブを見たかった。もしも願いが叶うのなら、志村さんが生きていた頃のライブに連れて行って欲しいとお願いする。石油王叶えてくれないかな・・・。だが、総君が歌う若者のすべてが好きではないというわけではない。むしろ好き。志村さんの声はすごくクセがあってかなり聴く人を選ぶと思うのだが、総君の声はまっすぐで素直だ。すごく聴きやすい。クセがなくなった分、歌詞が良く聞こえてくる。

 時々、本当になぜかは分からないのだが総君の歌声が志村さんの歌声に聞こえるときがあるのだ。今もそうだ。目の前で歌っているのは、正真正銘山内総一郎で、志村正彦ではない。なのに、志村さんの声に聞こえるのだ。2人の声が似ているわけでもないのに。知らず知らずのうちに二人を重ね合わせてしまっているのかも知れない。聞こえ方がどうであろうと、私はこの歌が、フジファブリックが好きだ。

 

 

 超激エモセンチメンタルな気分になっているうちにしっとりとアウトロが終わり、観客からはちきれんばかりの拍手が送られた。今日のライブ1の長さだっただろう。さあ次はどの曲が来るのだろうとワクワクしていると、

総「次はかなり懐かしい曲やります!」

えっなんだ?懐かしい曲って何だろう??1stアルバムの曲かなとかのんきに思っていると、

 

 

 

♪ダンダンッダダンッダダンッダダンッ~

 

 

 

 五感すべてが現実を受け入れることを拒否した。なんだ?何が起きた?今何が起きているんだ?こんなこと現実に起きるはずがない。宝くじの1等が当たる確率は地球が滅亡するレベルの隕石が衝突する確率よりも低いと言われているけれど、それ以上に確率が低いことが起きている気がする。というか、生きているうちに絶対に起こりえないことが今目の前で繰り広げられている・・・?おかしい。絶対におかしい。現実味がなさ過ぎてここは死後の世界ではないかと思ってしまう。そもそもこのライブすら存在していなかった・・・?私はいつ死んだ・・・?

 

 今まさに私の目の前で演奏されていて、私の鼓膜に直接殴りかかってきていて、私のその他の感覚すべてをねじ伏せてくるこの曲。目は閉じれても、耳は閉じれない。手で塞いだとしても隙間から入り込んでくる。それが、このことを現実だと見せつけてくる。私の全てを殺しに来ている1曲、花屋の娘だ。跳ねるように軽やかにかつ確実に私の心臓にボディブローを入れてくる。曲が1秒進むごとに1発入れられている。どう考えても死体蹴りなのでやめていただきたい。嘘ですやめないで。

 

 2004年にプレデビュー盤として発表され、後に完全復刻盤として発売された『アラモルト』に収録されている1曲。現フジファブリックメンバーが誰一人として関与していない1曲である。それを今ここで??????これワンマンライブじゃないんだぞ?????何考えてんだフジファブリック。観客の半分ぐらいはフジファブリックのこと知らないかもしれないんだぞ。イントロが始まった瞬間観客席の4割ぐらいは沸いてたけど残りの6割ぽかーんとしてたじゃん。分かってない人結構居るじゃん。どうすんの。どうかしてるのか???どうかしてたわ・・・。 

 

 飛び回っているピアノのリズムが、怪しげなギターの音が、ストーカー気質の陰キャキモオタが考えたとしか思えない歌詞が、とにかくこの曲を構成するすべてが私を殴ってくる。1音1音が五臓六腑を直接どつきまわし命を狙ってくる。音源の方は志村さんの歌声が歌詞の変態性を増していてそれはそれは素晴らしかったのだが、総君が歌うと無駄な爽やかさが増して爽快さのある変態ソングという唯一無二な1曲に仕上がっている。聴いたことない人はサブスクで聴くなり歌詞を検索するなりしてください。フジファブリック1の変態ソングだと私は思っています。もちろん、良い意味で。

 

 生きているうちに花屋の娘をしかも総君が歌っている花屋の娘を聴けるとは思っていなかった。間違いなく今日が命日です。人生お疲れ様でした。今ここで死んでくれと頼まれたら喜んで腹を切ります。本当にありがとうございました。私が死んだらパソコンと携帯の中のデータはすべて消して、家にある同人誌とか同人CD諸々をすべて燃やしておいてください。葬式にはここであったが獣道を流してくれると嬉しいです。そんなとんでも曲をさらっと対バンライブでやるなんて恐ろしい、フジファブリック恐ろしい子

 

 

 花屋の娘に魂を奪われていたのもつかの間、すぐに次の曲が始まる。キラキラ輝く夜空みたいなギターの音色、期待を増幅させるように追いかけてくるドラム、星降る夜になったらフジファブリックはメンバー全員が作詞作曲できるとんでもバンドなのだが、この曲は作詞ダイちゃん作曲志村さんの黄金コンビ(個人的に)曲である。ファン人気も高い。

 

 音源もそうなのだがこの曲はピアノが良い。疾走感に溢れていて好きだ。星降る夜になったらというタイトルにふさわしく夜空を彩る星々のきらめきをピアノが表現している。生演奏だとそれが顕著だ。照明も夜空に浮かぶ星をイメージしているのかチカチカしている。まぶしい。これでポリゴンショック起こす人居ないのかなって毎回思う。観客の熱気で蒸されまくった空気も心なしか夜空みたいに澄んできた気がする。幻想。

 

 圧倒的なプラシーボ効果を受けながら曲はラスサビへ。このラスサビ前のCメロ?がめちゃくちゃ好き。小刻みになってるピアノが良すぎるんだよな。フジファブリックフジファブリックたらしめているのはキーボードなのかもしれない。少なくとも抜いてはいけない要素だよなとライブを見て強く思った。ダイちゃんありがとう。総君のMC回収とか志村さんの面倒見てた所とか加藤さんへの突っ込みとか諸々含めて・・・。

 

 

 静かに曲が終わり、本日何度目か分からない観客からの拍手が送られる。歓声も飛び交ってはいるが拍手の方が多い感じ。1度つけてしまった習慣というのはすぐには変えられないよな。その拍手を優しく包み込むように音楽が奏でられる。何のアレンジだ?こういう前奏アレンジ分かったためしがないんだよな。分かる頃には死んでるし。

 

総「次で最後の曲です!本日はありがとうございました!色々と大変な世の中でしたが、もう大丈夫!!今までもそしてこれからも、ライブという光が、音楽という光が皆さんを照らし続けます!皆さんの人生に光りあれ!」

 

 総君の言葉を受けて始まった、光あれ。ライブの締めくくりにふさわしい1曲。この曲を構成するすべての要素が優しさで溢れている。好き。また泣いた。すぐ泣くから困る。そもそも泣かせにきているフジファブリックが悪い。こんな陽だまりのような曲調で前向きな歌詞を並べてきてるし、照明も今日1番優しいし、会場の床もなんかふかふかになってる気がするし泣かない方がおかしいんだよ。

 

 この曲を初めて聴いたときはフジファブリックらしくないなと思った。なんか曲調がぽくないように感じたのだ。しかし、これは本当に不思議なのだが、何回も聴くうちにフジファブリックにしか作れない曲になるのだ。フジファブリックはらしくないを繰り返してきて今の状態になっているバンドだから珍しいことではない。らしくないこと自体がフジファブリックなのだ。そのことを強く実感させてくれる1曲だった。

 

総「以上フジファブリックでした!ありがとうございました!またライブハウスで会いましょう!」

 

 総君が観客に向かって叫び、フジファブリックのターンは終了。とんでもなく素晴らしいライブだった。やっぱりバンドの真価というのはライブで発揮される。音源だけなんてもったいない。生で聴かなければダメだと強く思わされたライブだった。ありがとう、フジファブリック。大好き。今度はワンマンライブで会いましょう。

 

 

 

 フジファブリックの余韻に浸っている間に舞台の転換作業は終わっていた。そこから楽器チェックとかなんやかんやあり、待つこと15分ぐらい。照明が落とされ、お決まりのSE「絵の具」が流れ始める。沸き上がる歓声に拍手。フジファブリックの時はどこか温かみのあるように聞こえたが、ユニゾンのは湧き上がる気持ちを抑えられずに叩いているように聞こえる。「絵の具」を聴くとドーパミンドバドバになっちゃうから仕方ないね。IQも5ぐらいになっちゃうし。そこらへんの猿より下回ってますよ。

 

 猿同然になった観客の前に満を持してユニゾンの3人が登場する。最初に貴雄がゆっくりと登場。続いて田淵がおどけて登場。最後に斎藤さんが登場し、観客席に一礼。相変わらずで大好きだぜ。

 

 徐々にSEが絞られていき、突如SEをかき消すようにドラムが弾んだ。そのままギター、ベースが乗っかっていき、音が紡ぎ出される。これぞUNISONSQUAREGARDENと言わんばかりの明るくかつ鋭いメロディ。

 

斎「Oh!!No.6!!!」

 

このライブの流れを作る1曲目、アトラクションがはじまる(they call it "No.6")。随所にユニゾン節が散りばめられたライブの1曲目にふさわしい曲。その圧倒的な音でまだフジファブリックの余韻が冷め切っていない観客を完全にユニゾンのペースに巻き込んだ。完全にフジファブリックファンを取り込みに来ている。このおじさんたち殺る気だぞ。もう嫌な予感しかしないもん。絶対ヤバいセトリだよ。

 

 最高にユニゾンしているメロディラインに載せて、「飽きちゃったら そのへんでくたばりゃいいや」「ムカつくこともある 例えば交差点に湧くゲリラとか」など強めの言葉が飛び交う。これなんだよ・・・。この明るくポップなメロディの中に語気強めの言葉が乗っかってるこのバランスがUNISONSQUAREGARDENなんだよ・・・。1曲目から分からせにくるとは、今回のライブガチのマジだな。

 

 

 アウトロ最後のキメをバッチリ合わせたと思ったら、余韻を感じさせる隙さえ与えずにドラムが殴り込んでくる。この幾度となく聴いてきたドラムからの聴きすぎて耳と一体化してるんじゃないかと思ってしまうギター。シュガーソングとビターステップだ。イントロのドラムが聞こえてきた瞬間から観客席から歓声が沸き上がった。沸き上がりまくってんなさっきから。

 

 今やUNISONSQUAREGARDENの4番といっても過言ではないこの曲も発売からはや6年。6年もたってるとかまじ?信じたくないんだが?発売されたときから完成されきっていたが、6年もの間ライブで演奏され続けるうちにより精度が増し殺傷能力が増した。ライブで曲が成長するって言うのは本当だったんだな・・・。しかも最近のユニゾンは1,2曲目にシュガビタやるからたちが悪い。ライブ序盤から死体に囲まれてんのよ。自分も死んでるんだけどさ。

 

 ユニゾンらしいポップなメロディに、ベース、ドラムが暴れまくる間奏、とてもギターを弾きながら歌えるとは思えない歌詞。どこをとってもUNISONSQUAREGARDEN。ライブで聴くたびに思うがこの曲弾きながら歌う曲じゃないだろ、どっちもむずすぎるんだよ。しかし、両方をさらりとこなす斎藤さんは今日も最高にかっこいい。さすが我らがギタボ。ユニゾンは田淵のクレイジーぶりに目を引かれてしまう人が多いと思うのだけれど、斎藤さんも相当頭おかしい動きしてるし、貴雄も千手観音の親戚なんですか?としか思えないほど手数の多いドラムを叩く。田淵も田淵で暴れてるだけのように見えてえげつないベース弾いてるから。ほんとこのバンドは底が知れない。なんなんだこの超人集団。ライブを見るたびに彼らが人間じゃないことを思い知らされる。まじで何したらそんな人間離れしたことできるんですか?同業者食べたんですか?

 

 

 アウトロのキメの部分を何回か繰り返し、最後のギターの音を爽快にかき鳴らしてエンド。間髪入れずに印象的なギターリフが奏でられる。まさかこの曲が聴けるとは!最新アルバムPatrick Vegeeから1曲、スローカーブは打てない(that made me crazy)。この一分の隙も無く曲がつながっていくのがユニゾンのライブだよな。鮮やかすぎる手腕に惚れ惚れしちゃうぜ。

 

 この曲はパトベジの中ではかなり演奏されている方なので聴けるかなと思っていたら本当に演奏されるからびっくり。ライブ映像も公開されてるし、この前のSSS大阪公演(1日目)のデイライで一瞬だけ演奏されていたりもしたのでかなり優遇されている。気まぐれ雑踏に謝れよ。SSSで演奏されたときはまじで心臓止まるかと思った。今も割と死んだけど。割と死ぬって何?

 

 前の2曲がDr.Izzyの曲で並びまでアルバム順だったもんだから、もしかしてイジー先生の再現ライブ的セトリか?と思っていた矢先にこの曲ですよ。観客の浅はかな予想をサクッと裏切ってくるユニゾン大好き。セトリおじさんに勝てる日なんて一生来ないんだろうな。 

  印象的なギターリフから始まり、バッチバチのギターソロからスローテンポのCメロ。分かっててもノリについていけなかった。変拍子はノリづらいって1万年前から言われてるの知ってる作曲おじさん?そういうひねくれたところが大好きだからライブ来てるんだけどさ!

 

 

 最後のフレーズ、つまりレイテンシーを埋めていぃまっっっすとやや気合いを入れて歌いきり、暗転。観客席から拍手と歓声が沸き起こった。自分も手首もげるんじゃないかと思うぐらい拍手した。慣れって言うのは怖いもので声出せるようになったのにあんまり出せなかった。冷静に考えたらコロナ流行る前から声出してなかったわ。閉廷。

 

斎「どうも皆さんこんばんはUNISONSQUAREGARDENです!」

再び沸き上がる歓声。割れんばかりの拍手もついてくる。

斎「自由に楽しんでいってください!よろしく!」

 

斎藤さんの言葉とかぶせるようにドラムのビートが打ち出される。この音を聞くと否が応でもぶち上がってしまう1曲、フルカラープログラム。これこれこれこれ!これだよな!ユニゾンのライブと言ったらフルカラーですよ。最初のドラムが聞こえてきた時点で観客席が無法地帯と化した。動物園かここは?まあでもここでゴリラになってない方がおかしいよな。

 

 この前のSSSツアーでは本編1発目だったこの曲。インディーズ時代からのベテラン選手とだけあって、最初、中盤、終盤どこで演奏されてもぶち上がるし、フェスでも演奏される。SSSでこの曲聴いたときはめちゃくちゃ泣いてしまったな・・・。セッションの時から泣いてたけど・・・。今日もフジファブリックが始まったときから泣いてたけど・・・。

 

 アンバランスな3人が王道のロックンロールを奏でる。一見噛み合わなさそうな3人だが、要所のキメでバシッと音を合わせてくる。さすがとしか言い様がない。バッチバチに仲悪いもんなぁ。そして、この王道のロックンロールにユニゾン節が聞きまくった歌詞がのっているのがまた良い。むしろそこが良い。ライブで聴くと、うわぁぁあかっけぇぇぇ!!と感情が高ぶって意識が飛ぶ。けど、冷静に考えて東京ジャングルってなに?虹って作ろうと思って作れるものなの?うるせぇ!ライブ中にごちゃごちゃ言ってんじゃねぇ!考えるな・・・感じろ・・・。

 

 

 最近はラスサビ前をアカペラで歌うことも多かったが、今回はバンド演奏のまま突っ走り、若干の切なさを残しながら終わった。フルカラーはバッチバチに盛り上がるんだけど切なさと両立できる熱い曲だよなーとしみじみと感じていると、

「1,2!!!!!!」

という貴雄のかけ声とともに、ポップなギターがあふれ出す。ユニゾンにハマりたての頃にありえないぐらい聴いていた1曲、メカトル時空探検隊。まさかの選曲過ぎて変な声でそうになった。DUGOUTについているDVDをどんだけ見たと思ってるんだよ。思い出補正かかりまくりですわ。

 

 どこかアメリカンな空気を感じる明るいメロディーにのせて相も変わらず意味の分からない歌詞が跳ね回る。時にスタッカート多めに時にゆらゆらと斎藤さんが歌う。本当に時空間を探検しているかのような緩急の付け方。ライブでしか聴けない歌い方とかアレンジを聴くとこの場に来て良かったなと心から思う。とりあえず全人類に愛とチョコレートを!と全力で叫べたのでこの曲に未練は無いです。あとサビ前の所の照明がぐるぐるの渦巻き模様になっていて、タイムトリップを表しているようで良かったです(小並感)。

 

 

 ヘイ!と声を揃えてばっちり決め終了。最高だぜと油断していたところに、爽やかなギターが襲いかかってきた。オーケストラを観にいこう。全くUNISONSQUAREGARDENって奴らはよこれだから油断できないぜ(致命傷を受けながら)。いや音源そのままの始まり方すると思わないじゃ~ん!?(吐血しながら)

 

 豪華なオーケストラ演奏から始まることが多かっただけに、突然バンド演奏で殴ってこられたら心臓が持たないのよ。ユニゾンはサプライズが上手だなあ(白目)。オーケストラ演奏による厳かな始まり方も好きだが、この通り魔始まりも好きだ。衝撃と音の爽やかさがマリアナ海溝レベルで離れているけれど。

 

 殺人イントロからサビにかけて徐々に盛り上がっていきサビで突き抜ける王道の曲展開。結局こういう王道展開曲が1番盛り上がるんですよ。サビで突き抜けると同時に照明も一気に明るくなった。明るいといってもポリゴンショックを起こしそうなギラギラした光では無く、優しく包み込むような白い光。ユニゾンのライブはいつも曲と照明がぴったり合わさっていて、見ていて惚れ惚れする。曲以外でユニゾンのライブにかける思いをうかがい知ることができるポイントだ。ただあんなに照明当てられて暑くないのかなと若干思ってしまった。暑くないわけないよなこっちも死ぬほど汗かいてんだから。

 

 

 多幸感たっぷりのアウトロが終わるとともに、照明が一気に落とされた。ライブではよくある演出なのでそんなに驚きはしなかった。むしろ次の曲がなんなのかとワクワクする。照明が落ちたときは、斎藤宏介にピンスポットがあたってからのバラードという流れが多いよな・・・。クローバーか?僕らのその先もありえるな・・・。いや、アレンジしたスカースデイルか?などなど考えていた。その時、

 

 

 

 

 そいつは突然やってきた。

 

 

 この世の色気を全て濃縮したかのような叫び。それは事態が思い通りに行かないことへの諦念か、君と一緒に行けない事への後悔の念なのか。色気とエモさに支配される1曲、夜が揺れている。奴は私の思考外からやってきて背中を刺し貫いていった。可能性がないわけではなかった。しかし、この曲は2019年の「MODE MOOD MODE ENCORE」以来全く披露されていないのである。MMMEで聴いたとき、これが最後になるんだろうなと覚悟した1曲なのだ。その時もまさか演奏されるとは思わなかったため、その場で柵に突っ伏していったけど。たちが悪いんだよやめろ観客の背中を刺すな!!!!!!死ぬだろうが!!!!!!!もう死んでるんだよこっちは!!!!!!

 

 この曲はとにかくエモい。エモさの塊。エモエモのエモ。エモエモ言い過ぎてエモさ薄れそうになるよね。夜が揺れているはそんなことで薄れるような子じゃないので大丈夫です。こっちの情緒は大丈夫じゃないけども。

 この曲の最大の魅力は、エモさ(n回目)を感じるメロディラインにエモさを倍増させる歌詞が紡がれるところ。ユニゾンでも初期の方の曲なので、音源の歌声が若い。今の斎藤さんにはない鋭さと切なさが伴った歌声だ。だが、今はライブだ。生演奏だ。生歌だ。今の斎藤さんの柔らかい歌声は歌詞の優しさを強調させていてエモい。そして何より、ライブでまた聴けたという事実がエモい、これがエモさの相乗効果ってやつか・・・。

 

 イントロのハァァァァァンで観客を刺し、哀愁漂う歌詞でエモさを倍増させ、そこに間奏の超激エモギターソロでとどめを刺す。完膚なきまでにエモさに殺された。さらにおまけと言わんばかりに、「バイバイ。」と囁いて終了。こんなのもはや死体蹴り、オーバーキルである。今、ZEPP Sapporoに隕石が落ちてきたとしても後悔はない。でも、一人ぼっちじゃないと空には昇れないから必然的に全員まとめて地獄行きですね!ワハハ!!!!

 

 

 そんな不謹慎な妄想を浮かべていたのもつかの間、

 

貴雄「1,2,1234!!!!!!」

 

貴雄のかけ声とともに堰を切ってあふれ出すギター、ベース、ドラム。耳に突き刺さってくるシンセサイザー。否が応でも飛び跳ねてしまう1曲、徹頭徹尾夜な夜なドライブだ。夜が揺れているであれだけエモさに浸らせておいて、ここでぶち上げさせるとか。ウーパールーパーなら会場の温度差が激しすぎて死んでる。

 

 ここまでの流れ的に最後の盛り上がりが来たといったところか。なんて頭では冷静に考えているが、身体はもう暴れ出している。この曲を聴いて暴れださずにいられるか!ライブで初披露され、長らく音源化していなかったこの曲。ライブに育てられた1曲といっても過言ではない。そりゃあ盛り上がるよなあ。

 

 軽快なドラムも、主張が激しすぎるシンセサイザーも、緩急のある曲展開も何から何までライブで盛り上がるようにできている。終始ドラムのリズムに合わせて飛び跳ねてしまう。サビなんか飛びすぎて足ちぎれそうなんだよな。MVを再現したのか知らんが、シンセサイザーにも負けないぐらい刺激が強い照明がビッカビカ光る。そろそろ訴えられても知らないぞ。田淵のギアも上がってきたようで、イントロ、間奏部分で全力足上げを始めた。あの人もう36歳ですよね?私より足上がってるんですが。私があんなことしたら3日3晩動けなくなるし、下手したら一生寝たきりになる。リスキーすぎ。やっぱり田淵は見るに限るな・・・。正直、サビのワタシドコココハダレダアレのとこで一緒になって歌うのあんまり好きじゃないが、何も気にせず騒げるライブは久しぶりだなので今回は許す。

 

 

 あっという間にアウトロまでいき、最後の夜な夜な!の部分もぶち上げて終了。そこに間髪入れずに、

貴雄「1,2,3,4!!!」

もはや雄叫びになっている貴雄のカウントとともに、轟音のようなギター、ドラムがなだれ込んでくる。ユニゾンのライブといったらこの曲、場違いハミングバード。田淵はステージ端からステージ端まで駆け抜けた勢いで側転し、そのままベースをかき鳴らす。ライブも終盤なのに絶好調だ。というか、田淵は後半になればなるほど元気になるタイプだったな。

 

 さっきの夜な夜なで足は限界を迎えていたが、気力を振り絞り暴れ回る。音源よりも明らかにテンポが速い。いつもよりもかっ飛ばしてるんじゃないか?あまりのテンションに体がついていっていない。もしかして、私の体力なさすぎ・・・!?指定席ならまだしもステンディングのライブは待機列のところでもうすでに足が限界を迎えます。舞洲とか始まる前からすでに疲れてたもんな。始まったら疲れなんて吹き飛んでしまったけども。今日のライブもその類いで、始まる前から疲れていたが曲が始まった瞬間疲れなんて飛んでいった。しかし、MC等のクールダウンタイムがあると疲れが頭をもたげるのでユニゾンみたいにずっと演奏し続けて欲しい。曲が流れている間はずっとアドレナリンが出続けるので。マクロス

 

 UNISON SQUARE GARDENギターソロの色気がすごすぎて観客の情緒が死ぬぞ選手権で堂々の1位を取ったギターソロを見せつけ、そこからラスサビにもつれ込む。これがUNISON SQUARE GARDENだと示すように派手にやり、最後の舌打ち3連発で全観客の心を射止めフィニッシュ。あの舌打ちで惚れない人いたら出てきて欲しい。私は惚れた(毎回)。

 

 

斎「ラストォ!!!!!!」

 

もう最後の1曲なのか。ユニゾンのライブは体感5分だから困る。てか、本当にライブやった?と、1人ライブの存在を疑いはじめていると耳に残るギターリフが飛び込んでくる。最後はこの曲、Phantom Joke。ユニゾンはどの曲も人間やめてるとしか思えない演奏をするが、この曲ほど人間辞職してる曲ないんじゃないか?斎藤宏介の脱人間化を許すな。田淵はもっと自分たちを労る曲を書け。こんな曲ばっかりだと曲中に貴雄が阿修羅像になってしまうぞ。

 

 とんでもねえイントロをさらっと弾きこなし、Aメロ突入。生で初めて見て改めて思ったけど、なんでこんなに難しい曲弾きながら歌えるんだ・・・?シュガビタもそうだけど高いし速いしリズムも変なボーカル泣かせ曲を弾きながら歌うのは神業なんですよ。最近ギターを弾き始めて思ったが、そもそもギターを弾きながら歌えない。ギターむずくない?なんで弦6本もあるんですか?右手と左手同時に動かないが?というか、こんなに難しい曲を生でやろうと思う精神がそもそもおかしい。UNISON SQUARE GARDENは変人の集まりだから仕方ないね!(褒め言葉)

 

 変声期前の男の子でもでない高音サビを見事に歌い、2番へ。配信ライブで歌えなかったのがよほどショックだったのか、あれ以降ファントムを歌うときは気合い入ってる気がする。斎藤さんのそういう負けず嫌いなところ好きだぞ。そして、クソむず間奏ゾーン。斎藤さんはギターを弾く手が音速を超えていたし、田淵は暴れすぎて残像見えてたし、貴雄は阿修羅像になった。人外 SQUARE GARDENじゃん。ウケる。その人外っぷりに呼応するかのように照明もビッカビカ光っていた。ストロボ写真撮るときみたいな光らせ方してた。目が死んだ。

 

 照明に目を潰されている間にアウトロへと進み、最後のクソむず合わせもバッチリと決め終了。音源通りにすっぱりと終わりました。

斎「UNISON SQUARE GARDENでした!またね!!!!」

 

 割れんばかりの拍手と歓声がUNISON SQUARE GARDENを見送る。斎藤さんの挨拶を機に、メンバーがはけていく。最後の斎藤さんが見えなくなった2秒後ぐらいに、アンコール待ちの手拍子が始まる。さすがに早くない?てか、ま~~~~~~じで体感5分だった。本当にライブやりました?楽器持ってた?弾いてた?UNISON SQUARE GARDEN生きてた?などとごちゃごちゃ考えながら、アンコール待ちの手拍子をする。本当の余韻に浸るのはその後でも十分だ。このいつ戻ってきてくれるのか、そもそもアンコールをしてくれるのか分からずに待つこの時間が好き。アンコール手拍子仕切り直しおじさんいつもありがとう。

 

 

 暗かったステージに照明がともり、着替えた3人がステージ上に戻ってくる。貴雄はゆっくり、田淵はひょこひょこと、斎藤さんはいつも通りに戻ってきてくれた。

斎「アンコールありがとうございます。今日はフジファブリックと対バンということで。フジファブリックは僕らの事務所の先輩で、この前も事務所企画のライブで僕と総君、ボーカルギターの山内総一郎君と共演したんですけど、それよりも前に、えーっと、あれは2017年かな?(無言でうなずく田淵)フジファブリックの自主企画ライブに呼んでいただいて。それが初共演でしたね。」

ここで一呼吸おいて、

斎「フジファブリックは本当に素晴らしいバンドで、今年で結成21年、メジャーデビューから17年、ここまで続けられることは本当にすごいことだと思います。機会があれば是非また対バンしたいです。本日はありがとうございました!」

 

 

 4カウントの後に、ぬるっと入ってくるギター。後ろで縦横無尽に動くベースライン。ためているドラム。ドラムロールが頂点まで達すると同時にギターがカットインし、思わずハイ!と声を上げてしまう。アンコール1曲目、サンポサキマイライフ。この曲のハイ!とガリレオのショーケースのがっそー!!は叫んでも許されると思ってる。

 

 テンションを上げすぎず落ち着けすぎない絶妙の選曲。さすが田淵智也。セットリスト組みの天才。MIDNIGHT JUNGLEとかため息SHOOTING THE MOONとかそういうの来たら気が触れてステージに上がってたと思う。軽率に狂うぞ。

 心地よいリズムに合わせて揺れているとだんだん盛り上がっていきサビへ突入。このサビで爆発する感じたまらなく好きだ。あとこの曲は歌詞が良い。サビのちょうど良い距離感がユニゾンの在り方そのものを示しているようで大好きだ。なんでYoutubeのライブ映像消しちゃったんですか?アフロ姿の貴雄もう1回見たいんですけど・・・。

 

 終始リズミカルに進みあっという間にアウトロ。柔らかな照明に照らされながらリズムに乗っていると終わってました。照明も目に優しくて100点満点です。最後のハイ!も恥じらいもなく大声で叫んでしまった。妙な達成感に包まれながら踊っていると、

 

斎「♪All quartets, lead lead to say~」

 

一ミリの隙もなく桜のあとへ入った。ここで桜のあとを持ってくるかUNISON SQUARE GARDEN。先ほどまで気ままに揺れていた体が一転、無秩序に暴れ出す。客席も再び暴徒化。このままだとZEPP Sapporo壊れるのでは?もう誰も止めらんねえよ・・・。本当に最初から最後までとんでもないバンドだぜ。

 

 この曲のヤバいところはライブのどのタイミングで持ってきても核爆弾並の威力を発揮する所なんですよ。まあユニゾンの曲は全部そうなんですけれども。1曲目にもってきたら一気に会場の空気を盛り上げるし、中盤にやるとライブに慣れてきた観客の心を一瞬でぶち上げるし、今回みたいにアンコールでやっても最高。非の打ち所がない。そして、このレベルの曲がまだまだあるのがユニゾンの恐ろしいところ。マジでなんなんだこのバンド。兵器工場かなんかか?

 

 間奏のバチボコかっこいいギターソロに見とれ、落ちサビからのラスサビで今日1番テンションが上がった。これですよ。桜のあとと言ったら落ちサビからのラスサビ。桜が桜がで盛り上がらない人は存在せず、全身の血が沸き立ち衝動が抑えきれなくなる。要するに全員ゴリラになる。今なら素手で林檎潰せる。同時に2個ぐらい。

 

 

 アウトロを今日のライブを惜しむように長く鳴らし、演奏が終わる。その長さからこれで最後の曲なんだろうと察した。

 

斎「札幌最高でしたバイバイ!」

 

と一言叫び、一礼したのちに袖口にはけていく斎藤さん。観客席へのお手振りも忘れない。田淵はスタッフさんにベースを投げつけ、入ってきた時みたいにひょこひょこ出て行く。いつも通りで大好きだ。貴雄はドラムセットからゆっくりと立ち上がり、優雅に手を振りながら歩いて行った。三者三様にはけていく彼らを拍手と歓声が見送った。本当にありがとうUNISON SQUARE GARDEN。素晴らしいライブだった。遠征した甲斐があったと心から思える。

 

 これは本当に不思議なのだが、ライブが終わったその瞬間が1番ライブに行きたくなる。それが良いライブであればあるほど、この衝動は強くなる。これだからライブはやめられない。一度行ったらその魅力の虜になってしまう。そして今私は猛烈にライブに行きたい。今すぐにでも行きたい。フジファブリックのワンマンに行きたいし、UNISON SQUARE GARDENのワンマンも行きたい。そして何より、フジファブリックUNISON SQUARE GARDENの対バンに行きたい。大好きなバンド同士の対バンは地球を救えるほどの幸福感に満ち溢れていることを今日をもって知ってしまった。だから、年一いや月一でやってくれませんかねSMAさん?

 

 それにしても今日のセットリストはヤバかった。対バンで花屋の娘するか普通。ユニゾンも何しれっと夜揺らしてるんだよなどと考えながら、外へ。この人に揉まれて外に押し出される感じ久しぶりである。正直ライブ中よりここが1番危ない。

 

 入場した時はまだ陽が見えていたが、今はもうすっかり暗くなっていた。慌てて時間を確認する。まずい。グズグズしていると帰りの飛行機に間に合わない。明日も普通に学校があるという現実が一気に襲いかかってきた。石油王の愛人という肩書きは無断欠席の免罪符にはなり得ない。万札を掲げてなんとかタクシーを捕まえ、空港まで飛ばしてもらった。そしてギリギリ間に合い、席に着いた。石油王の愛人だからといって片道すらもプライベートジェットなど用意してもらえないのだ。現実は厳しい。

 

 外を眺めながら、改めて今日を思い返す。とんでもない1日だった。大好きなバンド同士の対バンが見れたし、北海道観光もできたし。改めて強く思ったのは、ライブは生きるために必要だ。ライブ会場の熱気、歓声、そして何よりバンドが奏でる音楽。これらからしか得られない何かが絶対にある。そしてそれが私を生かしている。コロナ禍で忘れていた感情を思い出すことができた。私にはライブが必要だ。多分、ライブが必要な人は私以外にもたくさんいると思う。だから全てのロックバンドたちには止まってほしくない。ライブができる環境は私たちがなんとかして存続させるから、ライブを生み出す当事者であるロックバンドも生きててほしい。そう強く願った。自分勝手な願いだけれど。次のライブはいつになるだろうか。とりあえずチケットを取るところから始めないと。そんな事を考えていると、眠気が襲ってきた。あっそういえば、スープカレー食べ損ねたな・・・今度来たら食べないと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めると目に飛び込んできたのは見慣れた天井。自宅の布団の上だった。何が起きたのか。まあ簡潔に言うとだな、全部ただの夢でした!!!!!!!!!!!!!!

なんだこのクソ虚しい夢オチ記事!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!コロナは早く滅しろ馬鹿野郎!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

最後に妄想ライブセットリスト載せて終わりじゃ!!!!!!!!

 

UNISON SQUARE GARDENーfun time HOLIDAY 8(w/フジファブリック) セットリスト

 

フジファブリック

1.STAR 

2.Sugar

3.LIFE

4.楽園

5.若者のすべて

6.花屋の娘

7.星降る夜になったら

8.光あれ

 

 

UNISON SQUARE GARDEN

1.アトラクションがはじまる(they call it "NO.6")

2.シュガーソングとビターステップ

3.スローカーヴは打てない(that made me crazy)

4.フルカラープログラム

5.メカトル時空探検隊

6.オーケストラを観にいこう

7.夜が揺れている

8.徹頭徹尾夜な夜なドライブ

9.場違いハミングバード

10.Phantom Joke

en

1.サンポサキマイライフ

2.桜のあと(all quartets lead to the?)

 

 

以上、解散!!!!!!!!!!!!